先週あったBushの就任演説についての中東の反応は否定的なもののよう。
Arabs wary of Bush's 'freedom' speech
Bushの「自由」を強調した演説に中東の国々は冷たい反応を見せている。
結局、Bushの言っていることはアルカイダのビン・ラディンが唱えていた'jihad'と同じであると指摘。彼の「自由」の信念ははイスラム原理主義者の信念と同じくらい単純で、自由をとってしまえば彼が説明できることはなくなるし、民主主義は軍事行動には全く結びつかないものだという。
様々な中東の知識人がコメントしており、Bushの専制的な圧制やアラブの国々の首長たちを操っていることには納得できないし、今もアラブの様々な国がアメリカの消極的同盟国であるように彼を困らせたり、逆にアメリカの援助や貿易などを通じてpeaceful pressureをかけてdemocratic changeをもたらそうという。
最後に、Libertyとアメリカはいうけれど、Bushは答えない、本当の自由とは何なのだろうと問いかけている。とにかく、ここ2年のアメリカの支配は中東にはよい影響を与えていないし、イラクでの混沌もイラクと中東にとって決してよい前兆ではないとしている。
参考>>朝日新聞
就任式についての記事
これが、アメリカに対しての中東の人々の素直な意見なのかなと思う。ちょっと弱めな主張である気もするけれど。アルジャジーラの記事の一面を毎日のように中東でのテロや殺人、事件などで飾られているように、この2年のアメリカの占領のせいでイラクという国は自力で再建したとは言い難いし、ますます情勢も治安も悪化している。そのことについて中東の人々が不満を持つのは当たり前だろう。
また、Bushは演説でイラクなどの具体的な国名は挙げなかったが、圧制に終止符を打つことが目的であり、自由の重要性を強調。また、Cheney氏は別の場面でイランや北朝鮮などがTrouble spotsであると言及し、これらをなくしていくことが使命だというようなことを語っていた。
この記事でも"One simple test would be to stop inviting despotic leaders to Washington," he said. "Use aid, trade and technology as peaceful pressure on these regimes to bring about the required democratic change," he said. と言っていたように出来ることなら中東に人々の手でアメリカなど他国の重圧を何らかの形で弱めて、はねのけていけたらと思う。今の状態では難しいのかもしれないけれど。
この記事では多くの中東の人々が意見しているのがよかったと思うし、社説の部分でも多くこの問題について触れられていたので関心が高いのだと思った。
24日月曜日、イスラエルによるヨルダン川西岸地区での壁の建設が再開されたという記事。
Israel resumes work on illegal wall 2005年1月24日
この壁は、ヨルダン川西岸地区北部に建設されているもので、国際司法裁判所の命令により、8ヶ月前から建設が中断していた。
イスラエルの代表者は、「Arielというユダヤ人入植地付近での安全壁の建設が司法長官により認められた。」と発表し、詳しくは述べなかった。
2003年10月、イスラエル政府は、Arielや他のいくつかの地域を壁で囲むことを決めた。
そして、その囲んだ地域を後に、イスラエルの主要な土地としようと考えたのである。
そして、2004年6月にAriel sectionの建設が始まった。ここには、1万6千人ものユダヤ人が住んでおり、最も大きなユダヤ人入植地の1つである。しかし、この地域はパレスチナ人の土地、ヨルダン川西岸地区(West Bank)に深く入り込んでいるため、議論を起こした。
国際司法裁判所は、パレスチナ人の土地にイスラエルが壁を作るのは不当だとの判断を下し、中断。それにも拘らず、イスラエルはそのプロジェクトを完成させると主張した。この壁は、最終的には700kmに及ぶとされる。
この問題について、ロンドン大学でセミナーが開かれた。ここでは、この壁がパレスチナ人の生活に与える影響を示した。
セミナーが出した結論は、「壁はパレスチナ国家の建設を妨げ、人的な危機を招く。そして、イスラム教・キリスト教信者の聖地への道を閉じることになる。」というものだ。
参加者は、国際司法裁判所が出した判断は重要だと考えた。しかし、アメリカの拒否権
行使により、国連安保理には受け入れられなかった。
セミナーで、アラブ人のAzmi Bishara氏は、「防護壁の建設は続くであろうが、いつか取り除かれる」と述べた。そして、この壁が及ぼす影響を世界の人々に伝えるパレスチナ人やアラブ人がいない、ということを嘆いた。
という記事だった。
イスラエルは、テロや侵入からの「防護壁」と称しながら、逆にパレスチナ人を囲いこむ形の壁やフェンスをあちこちに作っているらしい。アムネスティーインターナショナルも、壁に囲まれたパレスチナ人の人権が侵害されることを危惧している。
ある日突然、自分の生活空間が強制的に仕切られたとしたら。もし、その外に畑や、仕事場や、学校や、そして家族がいれば・・・。悲劇が起こることは目に見える。
アルジェリアの政府が下した「ガソリンの値段を上げる」という決定について、アルジェリアの各地でデモや暴動が起こった、という記事から。
Protests in Algeria over gas price
この政府の決定によって引き起こされたデモや暴動は、首都であるアルジェを筆頭に、モロッコとの国境付近や、その他各地で勃発した。暴動の詳細を見ると、道路を塞いで国家の建物を包囲したり、車をひっくり返す、路上防塞に火をつける、高速道路を塞ぐ、などにまで及んでいる。
この騒ぎは、国連軍が間に入ったことで翌日までもつれ込み、たくさんの人民が尋問されたという。
国民は経済状態の悪化をとても不安に思っている。ガソリンや石油だけが、アルジェリアのわずかな山脈地帯や高原から入手可能なエネルギー源だからだ。
このような大きな騒動が起こるのは二度目で、一度目の2001年のときは、ひどい動乱で、少なくとも100人の命が奪われたという。
この記事を読み始めたときに、最初にアルジェリアの新聞によると・・・と書いてあったことが少し気にかかった。アルジェリアの新聞が政府よりなのか、世間・人民寄りなのかはわからないが、その国の新聞をそのまま引用していたら、その国の新聞の主観的な要素を含んだまま世界のニュースとして報道されていることになる。それはとても危険なことだ。
この記事がそうだというわけではないが、外国のニュースを報道するときの長所として、物事を客観的に捉えて意見したり、その国の動向に流されずに報道できる、という点が上げられると思うので、アルジェリアの新聞を引用してそれに意見するような形をとったほうがより効果的ではないかと思った。
感想として、このようなことは日本ではとても起きにくいだろうな、と思った。長いものに巻かれろ、足並みをそろえろ、という国民性の日本人には出来難い行動だろう。そのような国民性に反対はしないしいいところもある、と思っていますが。だれか消費税の増加に対して暴動起こしてくれないかな。自分じゃ絶対したくないけど。
というのがきっと日本人の国民性なんですね・・・
目に付いた記事
study finds virtue in smoking2005年1月23日
から。
喫煙がバッシングをうける風潮の中、virtueとは何だ!と思い、開いてみました。
スウェーデンのKarolinska Instituteが喫煙は、パーキンソン病を防ぐ可能性があるとの研究結果をAnnals of Neurogyで発表しました。
彼らは、タバコを一人は吸い、もう一人は吸わない双子を対象に調査をしました。同じ遺伝子をもち、違う環境で過ごすという点で双子に注目したようです。
その結果、パーキンソン病はアルコールやコーヒー、住む場所には関係せず、しかし、双子の喫煙者の法はパーキンソン病になりにくいという結論に達しました。
具体的な数字や調査の背景が記されておらず、イマイチ、ほぉ~と思えない記事でした。
ちなみに、パーキンソン病とは・・・?
脳が出す運動の指令がうまく伝わらず、スムーズに動けなくなる病気。
原因は解明されていない。
日本では10万人に80~100人がかかっており、50~60歳代の人に多いが、20~80歳代でも発病する。
一方、喫煙の危険性を伝える記事もあった。
Smorking even worse than thought2004年5月29日
アメリカのsurgeon-generalのRichard Carmonaによる調査で、彼は、この新情報で、タバコをやめる人が増えてほしい、若者が吸わないままでいてほしいと述べている。
彼の調査によると、喫煙の影響で毎年44万のアメリカ人が死んでおり、
男性は13,2歳、女性は14,5歳寿命を縮めているという。
喫煙により、アメリカ全体で毎年、1570億ドル・・・約16兆円!?規模の影響が経済に与えられているらしい。(750億ドルが医療費で、残りが喫煙により失われた生産力など)
こちらの記事のほうが喫煙の威力を感じる。
良いも悪いもいろんな情報が飛び交うため、一喜一憂していられない。
反対に、多くの情報を得て、自分はどうする??と選択する機会に恵まれているかもしれない。
中東での喫煙の現状はどのようなのだろうか。
喫煙の認識は世界共通になるだろうか。。
今の日本のような、「ダメとはいわないけどね・・・・」 みたいな。